1台で温度・電圧・ひずみ・加速度など10種の信号を同時収録。NR-Xシリーズのマルチ計測が実現するスムーズな解析

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現代の製品開発や研究の現場において、多岐にわたるデータを迅速かつ正確に収集・解析することは必要不可欠です。しかし、温度や電圧などといった信号に加え、ひずみ、加速度、パルス、電力、CANなどを同時に扱う複合的な解析は、システム構築の手間や同期の難しさから、多くのエンジニアにとって大きな課題となっています。

キーエンスのマルチ入力データロガー「NR-Xシリーズ」は、開発現場のこうした壁を突破するために設計された、マルチ計測に対応したデータロガーです。1台で10種(温度・電圧・電流・ひずみ・加速度・パルス・各種センサ・CAN/CAN FD・電力・カメラ)の計測をシームレスに統合し、複雑な配線や設定を最小限に抑えながら高精度なデータ収集を実現します。

本記事では、NR-Xシリーズがどのようにしてマルチ計測をシンプルにし、開発・評価の工数を大幅に削減するのか、その圧倒的なパフォーマンスと具体的な活用メリットを詳しく解説します。

目次

多チャンネルの複合計測が開発現場を阻む3つの壁

近年、自動車や産業機械の開発現場では、より高度な性能評価や品質管理が求められる中で、温度、電圧、ひずみ、CAN信号など、多様な信号を同時に計測する「複合計測」の重要性が増しています。しかし、この複合計測には多くの課題が存在し、開発効率を阻害する大きな要因となっています。

壁1:配線の複雑化 ~複数機器の同期・配線による調整工数の肥大化~

電圧データロガー、温度データロガー、そして専用のCANデータロガーなど、メーカーや仕様が異なる機器を組み合わせて多チャンネルの計測環境を構築するとき、最大の負担となるのが同期精度の確保と配線の複雑さです。複数機器の組み合わせによる複雑なセットアップは本来の開発業務とは無関係な工数を肥大化させます。

壁2:同期のズレ ~様々な種類の信号を計測することによる時間のズレ~

計測後のデータ処理で現場を最も疲弊させているのが、信号間の時間的なズレです。取得したい信号ごとに複数の計測器を併用する場合、それぞれのマスタークロックが異なるため、解析時に手動でデータ位置を合わせる不毛な作業が発生します。各信号間の時間的なズレは、トラブル発生時の信頼性を著しく低下させます。

壁3:属人化 ~複雑な計測が招く試験・解析の属人化~

多様なセンサーやデータロガーを組み合わせる複雑な試験・解析は、特定の技術者にしか扱えない属人化を招きます。複数の計測器から出力されたデータを解析するためにはデータを統合するための手作業での処理が必要となり、作業効率を下げ、原因究明を困難にします。

NR-Xシリーズのマルチ入力がもたらすシームレスな統合力

前述した「配線の複雑化」「同期のズレ」「属人化」という3つの壁を根本から打ち破るのが、NR-Xシリーズのマルチ入力ユニットです。複数の計測器をつなぎ合わせる従来の発想を捨て、1つのマスターシステムにすべての計測機能を統合しました。

NR-Xシリーズの機能・特長課題具体的スペック・メリット
①チャンネル完全同期信号間の時間のズレ性質の異なるデータを最速1μsの精度で同時収録。因果関係を明確化。
②リモートユニット方式同期・配線工数の増大専用ケーブル1本で最大100m延長。配線距離を最短化。
③データの2重保存&UPSデータ消失のリスクSD+PCのミラーセーブと内蔵バッテリーで不意の事故から守る。
④2ステップの簡単設定現場の属人化わかりやすくユーザーフレンドリーなUIにより、誰でも10秒でかんたんに設定完了。

① 温度・電圧・ひずみ・加速度など10種の信号を同時収録する基本性能

最大の特長は、温度、電圧、ひずみ、加速度、さらにはCAN/CAN FD通信といった性質の異なるデータを1台で同時に収録できる点です。初期は最小1チャンネルからスタートし、必要に応じてモジュールを連結するだけで、最大576チャンネルまでシームレスに拡張が可能です。

② 「リモートユニット」による分散配置

多チャンネル計測において現場のエンジニアを悩ませるのが、膨大な配線の引き回しです。NR-Xシリーズの「リモートユニット」を活用すれば、最大100mまでシステムを延長し、計測ユニットを測定箇所の近くに分散配置できます。これにより、配線工数を大幅に短縮し、ノイズ混入や断線のリスクを大幅に低減します。

リモートユニットについては、以下の記事で詳しく解説しています。

③ 専門知識不要!10秒で設定が完了するソフトウェア

付属のPCソフトウェア「WAVE LOGGER X」は、直感的な操作性を追求しています。ユニットを接続すれば自動で構成を認識し、プルダウンから入力レンジを選ぶだけの「2ステップ・10秒」で計測準備が完了します。計測後はワンクリックでCSVやMDF形式(ASAM標準規格)へ出力でき、Excelへのダイレクト転送機能も備えているため、若手エンジニアでもマニュアルレスでデータ解析とレポート作成が可能です。

誰でも迷わず設定できる直感的なUI設計の秘密や、ワンクリックのExcel転送による報告書作成の効率化については、以下の記事で詳しく解説しています。

キーエンスの公式サイトでNR-Xシリーズについてより詳しく知りたい方はこちら

【業界別事例】多種類・多チャンネルの計測が実現する推測に頼らない開発

多種類・多チャンネルの計測は、特に複雑なプロジェクトにおいて、推測に頼らない正確な情報を提供することで開発プロセスを大きく変革しています。以下の事例は、推測に基づく開発からデータドリブンな開発へのシフトを示しており、現場のエンジニアがより効率的かつ効果的に作業を進められる環境を整える一助となっています。こうした多チャンネル計測の活用は、今後さらに多くの業界での導入が期待され、競争力のある製品開発を支える基盤となるでしょう。

自動車・EV開発:電池安全性試験

EV開発においては、システム全体が複雑に連動するため、インバータの電圧・電流、モーターの回転数、各所の温度上昇、そして車載ネットワーク(CAN/CAN FD)の信号といった異種データをすべて同時に計測する必要があります。例えば電池安全性試験の事例では、複数の物理現象が同時に発生する過酷な状況下において、「見た目の変化(カメラ映像)」と「電圧・温度の変化」を同期させて収集・解析している実績があります。NR-Xシリーズを用いてこれらの異種データを同期計測することで、急激な異常が発生した際に「どの事象が決定的な要因になっているのか」を明確に特定できるようになり、解析のスピードと開発チームへのフィードバックの質が格段に向上するという成果を上げています。

樹脂業界:射出成形機の最適条件出しと不良解析

樹脂の射出成形ラインでは、製品の寸法精度や品質を安定させるために、様々な機械的・熱的パラメータを総合的に制御・監視する必要があります。

NR-Xシリーズを活用することで、以下の要素を1台で同時に記録できます。

計測パラメータ記録する要素
温度ヒータ部や金型の熱変化
圧力型締めユニット側の負荷
電気モーターの電圧・電流
映像成形プロセス全体の視覚情報

そのため、温度だけ、圧力だけといった単一データでは見抜けなかった複雑な不良要因を総合的に判断できるようになり、最適な成形条件の導き出しによる精度向上、不良品の流出防止、さらには機械の省エネ稼働に繋がるという成果をもたらしています。

NR-Xシリーズの運用・トラブル対策に関するよくある質問

長期の耐久テスト中に電源トラブルが発生した場合、データは保護されますか?

はい、データは保護されます。NR-Xシリーズは、2つの機能で電源トラブルから計測データを守ります。

  1. ミラーセーブ機能:PCのフリーズや通信切断が発生しても、本体SDカードへの記録を継続します。
  2. マイクロUPS回路:不意の電源断が発生した場合、直前までのデータを保存してから安全にシャットダウンします。

まとめ:1台10役のマルチ入力データロガーで計測準備から解放され、次世代の開発へ

キーエンスのNR-Xシリーズ「マルチ入力データロガー」は、温度、電圧、ひずみといった信号はもちろんのこと、カメラ映像や電力、車載ネットワークなどの通信データも一括で効率よく収集・同期できる、強力なマルチ計測対応のデータロガーです。従来のように、複数の計測器を個別に用意して同期させる必要はありません。

NR-Xシリーズの導入により、エンジニアは面倒な配線や複雑なデータ統合の手間から解放され、本来の目的である高度な解析・評価業務に集中できる理想的な環境を手に入れることができます。計測システムの複雑化や属人化に課題を抱えている開発現場において、NR-Xシリーズは確実な工数削減と開発スピードの向上をもたらします。次世代の計測プラットフォームとして、貴社の製品開発とイノベーションを力強く後押しする最適なソリューションとなるでしょう。

NR-Xシリーズの製品概要や他社製品との詳細なスペック比較については、以下の記事で詳しく解説しています。

キーエンス NR-X シリーズについてより詳しく知りたいなら
NR-X シリーズの製品画像

NR-X シリーズの特徴

  • リモートユニット計測:専用ケーブル1本で接続。大型設備や車両の配線工数を大幅に削減
  • データ連動カメラ:波形と映像が連動。異音や挙動の因果関係を誰でも可視化
  • 最大576ch計測:センサー付近に計測ユニットを配置しノイズを抑制。大規模計測も1台で完結
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この記事を書いた人

データロガー実践Lab編集部です!
製品開発や品質管理で活用されるデータロガーの選定や製品特徴、活用ノウハウに関する情報を、AI技術と独自の編集視点で情報整理・構造化し、読者の皆様に「深く、正しく、わかりやすい」形でお届けすることをモットーに発信しています。

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