配線工数を削減。NR-Xシリーズの「リモートユニット」が実現する、専用ケーブル1本で長距離配線を最小化

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データ計測の現場で、複雑な配線作業に悩まされていませんか?多チャネル計測になればなるほど、データロガー本体から伸びる膨大なケーブルの束は、準備工数を増大させるだけでなく、ノイズ混入や接続ミスの温床となります。

本記事では、キーエンスのマルチ入力データロガー「NR-Xシリーズ」のリモートユニットに焦点を当てます。なぜ専用ケーブル1本で、これまでの配線作業を大幅に省略できるのか。その仕組みと、現場にもたらす劇的な工数削減の効果をプロの視点で徹底解説します。

目次

計測現場を疲弊させる「アナログ配線」の3つの限界

従来のデータロガーを用いた多点計測では、センサーから本体までアナログケーブルを1本ずつ引くのが常識でした。しかし、この手法には無視できないリスクが潜んでいます。

  • 膨大な準備工数とコスト
    100チャンネルの計測なら100本の配線が必要です。数日がかりの作業は人件費を圧迫し、プロジェクトの遅延を招きます。
  • ノイズ混入と「試験のやり直し」
    アナログ配線が長くなるほどノイズの影響を受けやすくなります。数日かけた試験の後に「データにノイズが乗っていて使い物にならない」と判明したときの絶望感は、計り知れません。
  • 物理的な設置スペースの制約
    太いケーブルの束は場所を取り、エンジンルームや狭小な試験設備内での設置を困難にします。

NR-Xシリーズの「リモートユニット」が実現する省配線の仕組み

NR-Xシリーズは、現場のミスを物理的に防ぐ設計により高い信頼性を得ています。単なるスペック向上ではなく、作業者の動線を考慮した機能が充実しているからです。

専用リモートケーブル1本で「データ伝送」も「電源」も完結

最大の特徴は、計測ポイントの至近距離で信号を即座にデジタル化し、マスタユニット(データロガー本体)までは専用のリモートケーブル1本でデータを伝送する点です。さらに、このケーブルを通じてマスタユニットから各リモートユニットへの電源供給も行われるため、計測地点ごとにAC電源を探したり、延長タップを引き回したりする手間を省略できます。

総延長100m・最大576ch同期の圧倒的スケール

独自の同期プロトコルにより、分散配置された各リモートユニットのサンプリングタイミングを極限まで一致させています。

  • 距離
    システム全体のケーブル総延長は最大100m(各ユニット間は最大60m)まで延長可能。
  • 多点計測
    2分岐で最大8台のリモートユニットを連結し、最大576chのデータを統合。
  • 超高速同期
    離れた場所に分散配置しても、最速1μs(1MHz)の完全同期収集を維持し、精度の高い計測を実現します。

【比較表】従来方式NR-Xシリーズ「リモートユニット」

比較項目従来のアナログ伝送NR-Xシリーズ「リモートユニット」
準備工数数日〜1週間(配線・確認)最短数時間など劇的に短縮
ノイズ耐性長距離伝送による混入リスク高計測点近くでアナログ配線を最短化し、混入リスクを低減
電源確保各地点でAC電源が必要ケーブルからの給電により電源配線不要
同期精度機器ごとの時刻合わせに限界最速1μs(1MHz)の完全同期による最大576chのデータ収集が可能

現場のミスを物理的に防ぐ、徹底した省力化設計

NR-Xシリーズ がデータロガーとしての評価が高い理由は、電気的なスペックだけではありません。

  • プッシュ式端子台の採用
    ネジ締め作業を省略。単線を差し込むだけでロックされ、配線作業時間を大幅に短縮できます。
  • 配線図のソフトウェア表示
    画面上でユニットの配線図を直接確認できるため、マニュアルを確認する工数さえも削減します。
  • LANケーブル1本でキーエンスセンサ/測定器と簡単接続
    各種センサや測定器とLANケーブル1本で接続でき、デジタル値をダイレクトに計測することができます。ノイズやアナログ出力精度・伝送誤差の影響を全く気にせず正確な値を収集可能。

さらにデータ連動カメラを併用すれば、異常波形をクリックするだけで現象を視認でき、原因特定が劇的に速まります。リモートユニットで配線を集約した後は、多様なセンサーデータの統合が鍵となります。
「カメラ連携」の詳細は、こちらの記事をご覧ください。

キーエンスの公式サイトでNR-Xシリーズについてより詳しく知りたい方はこちら

「耐環境リモートユニット」が現場を測定室に変える

通常、精密機器であるデータロガーは高温や水濡れに弱いものですが、NR-Xシリーズには耐久性を備えた耐環境リモートユニット(NR-X TH08T/HA08T)がラインナップされています。過酷な環境に直接設置できるため、ハウジングの製作工数やコストを省略できます。

特徴従来の計測器NR-Xシリーズ 耐環境リモートユニット
耐久性・環境性能特注の大型防水・防塵ボックスが必要IP65/IP67(防水・防塵)
動作温度範囲内部の温度上昇を防ぐためのファンや熱交換器が必要-40℃〜+85℃
設置の簡便さボックス設置、ファン・熱交換器設置など工数が多いユニットをそのまま現場にボルト止め可能
コスト特注ボックス、冷却システムなどで膨大なコスト低コスト
機動力低い(準備に時間がかかる)高い(突発トラブル解析、短納期開発に有利)
振動・衝撃耐性振動や衝撃に弱く、車載時などは防振ゴムなどの専用対策が必要衝撃耐性100G、耐振動性能10G(JIS規格準拠)
設置場所の自由度制限あり雪山、建設現場、エンジンルーム至近、恒温槽内など

【業界別事例】配線省略による成功事例

自動車メーカー:EV電池の性能評価

  • 課題
    計測場所とサンプルのある場所が離れており、20〜30ch分の熱電対を10m、20mと引き回す必要があり、配線に非常に手間がかかっていました。
  • 成果
    リモートユニットを活用することで、マスタユニットとリモートユニットの間を専用ケーブル1本で接続できるようになりました。これにより、配線ミスが減少し、作業時間の大幅な短縮と手間の削減につながっています。

金属・鉄鋼:ダイカストマシンの金型温度分布・マルチデータ収集

  • 課題
    安全上の理由から安全柵の外にデータロガーを設置する必要があり、そこからダイカストマシンまで複数のケーブル(7m〜10mなど)を取り回していました。そのため配線が入り乱れ、ノイズの影響を受けやすい状況でした。
  • 成果
    ダイカストマシンのすぐ横にリモートユニットを設置することで、センサーからのアナログ配線距離を1m〜3mと大幅に短縮できました。これによりノイズが低減し、安定した計測が実現しています。安全柵外のマスタユニットとはリモートケーブル1本で繋がっています。

インフラ:鉄道レールの経時変化計測

  • 課題
    周囲温度の上昇に伴う金属膨張や、列車が通過する際のひずみなどの経時変化を、屋外の過酷な環境で計測する必要がありました。
  • 成果
    屋外でも使用できる「耐環境リモートユニット」を選定することで、水や泥、温度変化にさらされる過酷な環境下でも、測定箇所のすぐ近くにユニットを設置して配線距離を最小化し、様々なデータを取得できるようになりました。

データロガーのリモートユニット導入に関するよくある質問

リモートユニットを使うと、本当に配線工数が削減されるのですか?

はい、大幅に削減されます。リモートユニットは、各センサーからの配線をマスターユニットまでケーブル1本に集約できるためです。

  • 計測ポイント近くで信号をデジタル化し、ケーブル1本で伝送
  • 最大8台のユニット連結で、最大576chのデータを統合
  • 従来必要だったセンサーごとの個別配線が不要になり、配線の束を一掃できます。
リモートユニットを設置する場所に電源がない場合はどうすればよいですか?

電源の心配は不要です。マスターユニットから専用ケーブルを通じて電源が供給されるため、設置場所にAC電源は必要ありません。

  • 計測地点ごとの電源確保や延長タップが不要になります。
  • 装置内部や屋外、高所など電源配線が困難な場所にも設置可能です。
  • ケーブルを接続するだけで計測を開始できます。

まとめ:配線ストレスから解放される、新しいデータ計測

NR-Xシリーズの「リモートユニット」は、単なる周辺機器ではありません。計測点の近くにユニットを分散配置し、専用ケーブルで集約することで、現場の配線工数を大幅に削減します。収集後の解析や改善検討といった本来の業務に、より多くの時間を割けるようになります。配線がシンプルになるため、万一の断線や接触不良が起きても切り分けがしやすく、復旧を簡単・迅速に行えます。

さらに、配線やデータ回収に費やしていた時間を削減できる分、収集後の解析や改善検討といった本来の業務に、より多くの時間を割けるようになります。

NR-Xシリーズを活用することで、これまで難しかった環境でも確実にデータを取得することができるようになります。配線のストレスから解放され、より効率的なデータ計測を実現しましょう。

NR-Xシリーズの製品概要や他社製品との詳細なスペック比較については、以下の記事で詳しく解説しています。

キーエンス NR-X シリーズについてより詳しく知りたいなら
NR-X シリーズの製品画像

NR-X シリーズの特徴

  • リモートユニット計測:専用ケーブル1本で接続。大型設備や車両の配線工数を大幅に削減
  • データ連動カメラ:波形と映像が連動。異音や挙動の因果関係を誰でも可視化
  • 最大576ch計測:センサー付近に計測ユニットを配置しノイズを抑制。大規模計測も1台で完結
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この記事を書いた人

データロガー実践Lab編集部です!
製品開発や品質管理で活用されるデータロガーの選定や製品特徴、活用ノウハウに関する情報を、AI技術と独自の編集視点で情報整理・構造化し、読者の皆様に「深く、正しく、わかりやすい」形でお届けすることをモットーに発信しています。

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